UKガラージとは? スピードガラージと2ステップ、ロンドンの音を解説
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UKガラージ(UKG)は、90年代前半〜半ばのイングランドで生まれた電子音楽のジャンル。見分けるポイントはテンポではなくノリにある——ハイハット・シンバル・スネアがシンコペートして跳ねる、打楽器的なリズム。テンポはおよそ130BPM、だいたい130〜138に収まる。その下には、ストレートな4つ打ちのキックか、欠けて跳ねる「2ステップ」のパターンが敷かれている。
| UKガラージ(UKG) | |
|---|---|
| 発祥 | イングランド・ロンドン/90年代前半〜半ば |
| BPM | 約130(おおむね130〜138) |
| 音の核 | 跳ねるシンコペーテッドな打楽器、スウィングしたハイハット、ピッチを上げたソウルフルなボーカル |
| 2つの形 | スピードガラージ(4つ打ち・1994〜1997)/2ステップ(キック欠落・1998〜2001) |
| ルーツ | 米ガラージハウス、ジャングル、ブレイクビーツ、R&B、ダンスホール、ジャマイカのサウンドシステム文化 |
| 派生 | グライム、ダブステップ、ベースライン、UKファンキー、フューチャーガラージ |
「ガラージ」の由来
UKガラージの「ガラージ」は、ニューヨークのParadise Garageを指している。ディスコ、ソウル、初期ヒップホップ、ポップロックを横断してかけたあのクラブから育った米国のスタイル=ガラージハウスが、ロンドンに渡って作り直された。
重要なのは「作り直された」ほうだ。ロンドンの作り手はレコードの速度を上げ、ボーカルを刻んで吃らせ、当時すでに海賊放送を支配していたジャングル/ラガ/ダンスホールのリズム語彙を注ぎ込んだ。UKガラージとは、ニューヨークのボーカルハウスをロンドンのサウンドシステム感覚で通したときに出てくる音である。
スピードガラージ(およそ1994〜1997)
最初の形。ニューヨークのガラージが持つ4つ打ちの脈を速め、その下にブレイクビーツと巨大なサブベースを差し込む。フックになるのはしばしばボーカルではなくベースラインのほうで、レゲエ由来の唸るような低音が前に出る。
1997年、Armand van Helden による Sneaker Pimps「Spin Spin Sugar」のリミックスが、スピードガラージを主流に押し上げた1枚としてよく挙げられる。
2ステップ(およそ1998〜2001)
そしてキックが割れた。2ステップは1小節の3つ目のキックを抜く。結果、予想した場所に着地しない、いびつで跳ねるパターンが残る。ロンドンのジャングル/ガラージ系海賊放送の上で、スピードガラージの発展形として現れた。
音楽への影響は決定的だった。キックが全拍を刻まなくなったことで、スウィングしたR&B寄りのボーカルが入る余白が生まれ、UKガラージはポップになった。Shanks & Bigfoot「Sweet Like Chocolate」がUKガラージ初の1位を獲り、Artful Dodger「Re-Rewind」がプラチナ、Craig David「Fill Me In」が2000年4月に1位に立つ。
入口として押さえる名前は、DJ EZ、Dreem Teem、Tuff Jam、そして刻みボーカルの手法がハウス全体の語彙になった米国の Todd Edwards。
その後
2002年から音は変わる。2ステップはファンキーでソウル寄りの手触りを離れ、より暗い方向——グライムへ向かった。過激な側面をめぐる報道が続き、アーティストが主流の会場から事実上締め出される事態も起きて、2000年代半ばにはUKGはベースライン、グライム、ダブステップへ吸収されていった。
ただし消えたままではない。2007年頃から「new skool」ガラージのリバイバルが始まり、2010年代、そして2020年代初頭にも波が来た(NUKG と呼ばれることもある)。いまやセットにUKGの一角があるのは珍しいことではない。
ハウスとの聴き分け方
- ハイハットを聴く。 ハウスは均等に刻む。UKGはスウィングしてシンコペートし、グルーヴが跳ねる。
- 抜けたキックを探す。 行進ではなくつまずくように感じたら2ステップ。
- ボーカルを聴く。 UKGのボーカルはピッチを上げて断片に刻まれることが多く、ディスコよりR&Bに近い。
- テンポを見る。 ハウスは120〜128付近、UKGはその上から始まる → ハウスのBPM。
関連
系統図の全体はハウスのジャンル早見ガイドとハウスミュージックとはへ。現地で聴くならロンドンのハウスクラブ。
よくある質問
- UKガラージとは何ですか?
- 90年代前半〜半ばのイングランドで生まれた電子音楽のジャンルです。ハイハット・シンバル・スネアがシンコペートして跳ねる打楽器的なリズムが特徴で、4つ打ちのキックか、いびつな2ステップのパターンの上に乗ります。
- UKガラージのBPMはどれくらいですか?
- おおむね130BPM前後で、一般的には130〜138の範囲です。ハウスの多くが120〜128であることを考えると、テンポはハウスが終わるあたりから始まる、というのが手早い見分け方になります。
- スピードガラージと2ステップの違いは何ですか?
- スピードガラージは4つ打ちを保ったままニューヨークのガラージハウスを速め、ブレイクビーツと重いサブベースを加えます。2ステップは1小節の3つ目のキックを抜き、跳ねる不均等なリズムを作ることでR&B寄りのボーカルの余白を生みました。
- グライムやダブステップはUKガラージから生まれたのですか?
- どちらもUKガラージから派生しました。2002年以降、2ステップがより暗い方向へ向かってグライムになり、2000年代半ばまでにUKGはベースライン、グライム、ダブステップへ吸収され、2007年頃からリバイバルが始まりました。
- UKガラージの代表曲は何ですか?
- 1997年のArmand van HeldenによるSneaker Pimps「Spin Spin Sugar」リミックスがスピードガラージを主流に押し上げた1枚とされます。2ステップ期ではShanks & Bigfoot「Sweet Like Chocolate」が初の1位、続いてArtful Dodger「Re-Rewind」、2000年4月のCraig David「Fill Me In」が代表格です。